放課後NPO After School!!
関わるみんなをハッピーにさせる、それが放課後NPO
鷹番小学校で行われたこのマンガプログラムは、2時間以上にもわたる長丁場。大学の授業よりも長いにもかかわらず、子どもたちの集中力は途切れることがなかった。どうしたら上手く描けるのか、目の位置は? 手の描き方は? 洋服のシワは? 興味は次から次へと湧き出してくる。
「いつもの授業とは確実に違います。目がキラキラしていて、心がワクワクしているのがわかります」。そう語るのは、見学に来ていたお母さん。
「こういう活動は、私の子どもの頃にはなかったですから、私が感動しています(笑)。本当にいい活動だと思いますよ。今の子どもはなかなか夢を抱けないようですが、こうしていろんな人に出会い、こんな仕事もあるんだと知れることは、子どもにとってわかりやすいし世界が広がります。家に帰ってきても、いつもと様子は違いますね。今日はこんなことをしたとか、よく話してくれます」
子どもたちも「学校の先生よりすごくやさしく教えてくれた」と満足げ。平岩さんが溝口さんのアドバイスをメモしたホワイトボードを一生懸命ノートに書き写す子もいて、その熱心さは大人も驚きだった。
溝口さんが最後にひとり、モデルに選んで似顔絵マンガを描いてくれた。スラスラ、サササーッと鉛筆が勢いよく滑る様に、子どもたちの目は釘付け、一言も言葉を発せず教室はシーンと静まり返っていた。いや、それは子どもたちだけではない。校長先生も平岩さんも見学にきたお母さんも、そして取材陣の私たちも、一瞬にしてプロの技の世界に完全に魅了されてしまっていた。この場所にいる全員が、「すごい!」という感動でひとつになる。それはある種の快感にも通じた、幸せな瞬間だった。
「実は自分自身が一番楽しんでいると思います(笑)。プログラムの内容は自分も聞きたい見たいこと。会社という狭い世界にいるからこそ、こうしたNPOの活動を通して様々な人に出会えることは、とても貴重です」(平岩さん)。
放課後NPOを「子どもたちの気づきのスイッチを入れてあげるもの」と平岩さんは言う。「好きなものを見つけ出し、がんばる力」につながる最初のスイッチ。それは、子どもだけでなく、きっとずいぶんOFFになりっぱなしの大人のスイッチもONにしてくれるのではないだろうか。ここに関わる誰もが、子どもを通して何かを持ち帰ることができる。安全な放課後の提供だけじゃない、子どもとともにある時間の豊かさを教えてくれる、それが放課後NPOの本質のように感じた。
放課後NPO After School!! 代表・平岩国泰(ひらいわ・くにやす)さん
1974年 東京都港区出身。慶応義塾大学経済学部卒。大学生の4年間、母校の慶應義塾中等部野球部の学生コーチを務める。現在、 (株)丸井にて人事・経営企画などを経て、新規事業立ち上げに携わる。放課後NPO After School!!のHPは、こちらから。
*1 「Gマーク」わが国で唯一の総合的デザイン評価・推奨の仕組み、グッドデザイン賞を受賞したモノ・仕組みに対してつけることができるマーク。
