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土祭ーEarth Art Festa 2009 in Mashiko

土祭ーEarth Art Festa 2009 in Mashiko

馬場浩史がつくりあげた土祭のイメージ

町長曰く「益子で一番センスがいい」という馬場浩史さんは、益子でだけでなく、日本の中でも屈指のセンスと耽美眼、先見の明を持つ人である。13年前、1998年に東京から益子に移住。スターネットというオーガニックカフェ&ギャラリー&ショップを立ち上げ、平日でも東京を中心とした首都圏からスターネット目当ての客がひっきりなしにくる「場」をつくりあげた人である。
もともと馬場さんは、80年代フッションブランド「トキオクマガイ」のディレクターとして、パリ、ミラノ、NYと文字通り世界を飛び回って仕事をしていた人。ファッションと80年代という、まさに消費社会の最先端にいたにもかかわらず、いや、いたからこそ、この大量生産、大量消費の社会構造の限界を早々に悟ってしまう。クマガイさん逝去後、企業のCIや舞台美術、プロダクトデザインのディレクションなど様々な場面で活躍をするが、自らが手がけたものが消費されていく現場に、この消費社会も、自分のあり方にも限界を感じ、東京での仕事に区切りをつけて、益子に新たな「居場所」を見つけたのだった。グローバル経済への馬場さん流のオルタナティブな回答、それが、スターネットだった。
スターネットにある食も衣も物も空間も人も、大量生産、大量消費と真逆ものばかりだ。雑木山の落ち葉と鶏糞の堆肥で育てた無農薬の野菜がメインのカフェ、自然素材をつかった昔ながらの道具、手紡ぎの糸で織られた布……。「クリエイティブな自給自足」を求めて、暮らし全般に向けられた視線のあり様に、多くの都会人が魅了されている。
全体感。この全体を包括する感性こそが、スターネットをそれたらしめている所以といえるだろう。行政が考える、「健康」にはこのイベント、「環境」にはこのイベント、というような、縦割り、細分化型の発想では感じ得ない、すべてが地続きに存在し、すべてが繋がりあっているという温かで懐かしい感覚。しかも、飛びぬけてカッコイイ。
そんな馬場さんがプロデューサーになった瞬間から、一地方の町の文化イベントは、行政マンが考える「文化」の枠を超え、「益子に生きる」ということ、すべてを包括するものになっていったのだ。それゆえ、冒頭の三宅課長以下現場は想像を超える仕事に立ち向かわなくてはいけなくなる。

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