所属先は組織から場へ
ソーシャルデザインの活動は、「組織」という呼び名より「場」というほうが適切だと感じることが多い。また、そこでは個と集団の関係も変わりつつあるようだ。特定の組織に家族的に帰属するという従来のモデルは、まず個があって、その個がいくつかの場に役割を変えて参加するというプロジェクト型のモデルに主役の座を明け渡しつつある。
トージバを取材した際、主催者のひとりであるハッタさんの名刺をいただいて、「おっ」と思った。トージバの他、ハッタさんが関わるソーシャルデザイン活動のロゴが名刺の片面にところ狭しとレイアウトされていたからだ。「トージバのハッタです」ではなく、ハッタさんという個人がいくつもの場に少しずつ身を置いている…そんな印象だった。事実、その予想は相違なく、しかも協働するメンバーも、微妙に重複した活動に関わりながら連携を深めていくという。
ヒエラルキー型の組織構造は、トップの意志が効率よく下の人間に伝達されるという意味では効率がよいかもしれない。しかし、ソーシャルデザインの活動では、自分の考えを自分の意志で実行することが求められるため、活動の母体のあり方も場的なものが合っているのではないかと思う。自立した個人がさまざまなプロジェクトを行き交うことで、より創造的で機動力の高い活動の展開が可能になるのではないか。(岩)



