「Here, Now」を共有する
ソーシャルデザインの実践者は、その活動拠点が「場」であることを強調することが多い。場は組織のように長期に渡って所属を保証/要求するものではなく、一定の期間・空間で現れるものである。従って、場には組織に存在しない緊迫感がある。そのため、場が存在する時間を十分に楽しもう、という考え方が生まれるようだ。
トージバの渡邉さんに、「どんな瞬間が幸せですか」と尋ねてみたところ、「一対一で向き合っているときです」という答えが返ってきた。自分ではない誰かと、その瞬間、その空間を共有し、向かい合うことを大切にしているという。これはまさに「いま、ここ(Here, Now)」を指しているのではないか。「いま、ここ」がどれだけリアルに感じられるかが幸福の一つの尺度になっているようだ。
現代の高度に発展したメディア環境では、ともすると「いま、ここ」の存在を自分と切り離してしまいがちだ。ソーシャルデザインの活動を通じて、あらためて「いま、ここ」の役割と意義を見直すきっかけが生まれようとしている。(岩)


